2018年ロシアワールドカップのグループCをプレビュー。
近年若手の台頭が著しいフランスに加えて、デンマーク、南米王者チリを下して勝ち上がったペルー、そしてオーストラリアの4カ国が争う。
- フランス FIFAランク7位
- ペルー FIFAランク11位
- デンマーク FIFAランク12位
- オーストラリア FIFAランク40位
FIFAランキングで見るとオーストラリア以外はとても拮抗している。だが、実際の戦力を見てみるとフランスの1強状態になっている。デンマークもペルーもプレーオフを勝ち抜いての出場となりフランスから見ると地力の差がある。また、オーストラリアに関しても監督交代を機に闘志を前面に出す旧来からのスタイルへと回帰している。
オーストラリアの3戦全敗は固く勝ち点1を取るのが精一杯といったところだろうか。2位争いは初戦のデンマークとペルーの直接対決で勝利したほうがおそらく通過することになるだろう。
それではもう少し具体的に見ていくことにする。
グループCの展望
FIFAランキングで見ると7位であるフランスが優勝するのは難しいかもしれなしが、メンバーの主体が近年台頭した若きスーパースター達で構成されている。ワールドカップの経験がない選手も多くいるが実力は申し分なくポテンシャルは大会随一と言って過言ではない。
実力的にフランスがグループ予選を突破を抜けるのはほぼ間違いないといっていいだろう。これに続くのがデンマークとペルー。我々日本人にとってデンマークはワールドカップではいい思い出をさせてもらったが、その頃とは比べものにならないくらい戦力は充実している。対してペルーは南米チリを撃破して予選を突破した。
デンマークとペルーが直接戦う初戦で勝敗が決まるようであれば2位のチームも必然的に決まるといっていいだろう。
そしてオーストラリアだがサッカルーズ(オーストラリア代表の愛称)を本戦へと導いたポステコグルー(現横浜Fマリノス監督)が辞任。後任にこれまたサウジアラビアを予選突破に導いたものの同じく辞任したファン・マルバイクの招聘に成功。2010年のワールドカップでオランダ代表を準優勝に導いた手腕に期待したい。
個人的グループの順位予想は
- フランス
- デンマーク
- ペルー
- オーストラリア
予選を通して成長し優勝を目指す フランス
- 1戦目6/16 VSオーストラリア 日本時間19:00~
- 2戦目6/21 VSペルー 24:00
- 3戦目6/26 VSデンマーク 23:00
ジダンが代表から退いたあとはすべての大会で不安分子がチームの足枷となり上位進出を逃してきた同国は、それらをしっかりと取り除くことに成功した。
攻撃陣と中盤は若手との融合に成功し、厚みは増した。レ・ブルー(代表の愛称)の10番を背負うのは19歳の怪童キリアン・エムバペ。ここに1億の男ポール・ポグバが司令塔となる。フィニッシャーの2人はジルーとグリーズマンの強力なFWで挑む。
2016年の欧州選手権準優勝からの代表としての成長曲線は思った以上に伸びなかった印象だが、ポテンシャルは大会随一と言っていいだろう。大会を通してさらなる成長が見込めるチームであり、優勝を狙えると予想した。
グループ予選も不安がある初戦もグループ最弱のオーストラリアからはじまるので組み合わせ的にもグループ予選の突破は堅いだろう。
戦術的柔軟性でグループ予選を突破なるか デンマーク
- 1戦目6/16 VSペルー 日本時間25:00~
- 2戦目6/21 VSオーストラリア 21:00
- 3戦目6/26 VSフランス 23:00
トップ下のエリクセンはプレミアリーグのトッテナムに所属し、スコアラーのハリー・ケインにパスを供給し続けているリーグ屈指の選手。彼を中心にサイドアタッカーのシストとヨルゲンセンとともにゴールを目指す。
欧州予選ではゴールの半分をエリクセンが記録しており、ここを研究され封じられると一気に攻撃力が一気におちる。この点がFIFAランクに見合った評価がされない点だろう。
ただ、戦術の柔軟性はとても高い。守備からリズムを作るリアクション型と自ら主導権を握るアクション型の両方を高いレベルで行えるのは強み。時間帯によって戦術を使い分け適切な選手交代を行いながらゲームを進め勝ち点を得るだろう。
2002年以来の予選突破なるか。
9大会ぶりの出場 国民の期待を後押しに予選突破へ! ペルー
- 1戦目6/16 VSデンマーク 日本時間25:00~
- 2戦目6/21 VSフランス 24:00
- 3戦目6/26 VSオーストラリア 23:00
2017年以降の南米予選を無敗で奇跡の予選突破を成し遂げた同国は国民から期待されている。
ただ暗いニュースとしてエースのゲレーロのドーピング違反による離脱は正直痛い。本年に入ってからのテストマッチではゲレーロ抜きの布陣で挑みクロアチアとアイスランドを撃破し一定の成績は残したといえる。
基本戦術はスペインのようなパスサッカーでボールを保持しながらゴールを目指す。予選の対戦相手を見るとフランスには分が悪いもののデンマークとオーストラリアは相性の悪い相手ではない。
成熟したチーム力で実に40年ぶりの予選突破を目指す。
監督が電撃辞任も戦術は継続路線 オーストラリア
- 1戦目6/16 VSフランス 日本時間19:00~
- 2戦目6/21 VSデンマーク 21:00
- 3戦目6/26 VSペルー 23:00
アジア予選では苦戦を強いられプレーオフでなんとか本戦出場を果たした同国はポステゴグルー監督が辞任。後任にはオランダ人で母国を2010年ワールドカップ準優勝へと導いたファン・マルバイクの招聘に成功。事なきを得た。
戦術は今まで通りポゼッション思考のサッカーとなるものの、ミスも多くカウンターを受けたいた部分をサイド主体へ変更。ただ、多くの選手が得意とするのはやはり体格を活かしたパワープレーが得意なのも事実。本戦では名将がどのような戦術を選択するかによって大会結果は変わるかもしれない。
フランスにどこまで喰らいついていけるかが各国の鍵
グループ予選の突破が堅いフランスに対してそれ以外の3カ国がどれだけ喰らいつき、勝ち点をもぎ取れるかで展望も変わってくる。
前評判通りになってしまうのか、それともFIFAランク通り拮抗したリーグ戦となるかぜひ見ていきたい。
※ここから先は大会終了後に総括として加筆しております。
グループ予選を終えて
試合結果
6/16 フランスVSオーストラリア(2−1)
6/17 ペルーVSデンマーク(0−1)
6/21 デンマークVSオーストラリア (1−1)
6/22 フランスVSペルー(1−0)
6/26 オーストラリアVSペルー(0−2)
6/26 デンマークVSフランス (0−0)
最終順位は
- フランス
- デンマーク
- ペルー
- オーストラリア
事前予想通りの順位で着地した。試合結果・内容ともにサプライズ性はなく妥当な結果が続いた。ただし、フランス対デンマークの最終戦は退屈極まりない試合の一つになっていた(イングランドVSベルギーの試合のほうがひどい試合だったが…)。
このグループのでもっとも気にいった試合はデンマークVSペルーの試合で、お互いが譲らない戦力・実力ともに拮抗した締まった試合だった。
【2分でわかる #ロシアW杯】ペルー x デンマーク(グループC)
デンマークはカウンターからポールセンがゴールを決めて勝利。
ペルーはまさかのPK失敗。エース・ゲレーロのヒールでのシュートは惜しくも外れる。#ワールドカップ #WorldCup
NHK特設サイトはこちら↓https://t.co/qcTLYraWd7 pic.twitter.com/lKMdFjBqph— NHKサッカー (@NHK_soccer) June 16, 2018
この段階ではフランスの強さに気づいている人はそう多くはなかったように思う。まさか、優勝までいくとは…