大迫半端ないって! 奇跡の勝利をおさめたコロンビア戦を振り返る

ワールドカップの大会初戦を終えた日本代表。

多くのファンがこの試合を見たと思いますが、まだ見ていないという方はNHKが出している2分でわかるロシアワールドカップを御覧ください。

この勝利は奇跡といえる勝利と言えるでしょう。

この記事では試合を振り返りながら総括をしていこうとおもいます。

開始4分 コロンビアの選手のハンドでPKを獲得

試合開始早々の4分。コロンビアの選手が日本のシュートを止めもハンドの判定。これが今後の戦いをすべて決まったといえるかとおもいます。

サッカーにおいて数的不利になるのは試合を壊しかねません。

特に今回のコロンビア戦では残り86分もある段階でコロンビアは1人すくない状態で試合を継続しないといけなくなりました。

ハンドによって得たPKは香川が決め日本が先制!

数的不利なコロンビアも走力でカバー

日本がPKによって先制すると、コロンビアは多くの選手が人数不足をカバーするためにとにかく走ります。

リアルタイムで見ていた方はおそらく人数不利になってもコロンビアの驚異的な走力、攻撃力は内心ひやひやしたのではないでしょうか?(私の心臓は興奮と不安でおかしくなってましたね)

前半20分過ぎくらいまで日本は押されていた印象です。

実際にチャンスも作られました。ワールドクラスの選手を多く抱えるコロンビアはたとえ一人でも負けてしまうのではないかと思わせてしまうほどの迫力がありました。

日本の初動は落ち着いていた

先制をし、意気盛んになってもおかしくない日本代表はとても落ちついていました。

DFと攻撃陣の間にいるボランチのポジションの柴崎と長谷部がボールに多く絡み試合をコントロールしていました。

日本は【ワールドカップ グループH 展望】日本は混乱を経てもグループを突破できるのかでも述べたように客観的にみて実力的に最下位になる可能性が高いはずだったんです。

【ワールドカップ グループH 展望】日本は混乱を経てもグループを突破できるのか

日本は自分たちが有利になったとしてももし同点に追いつかれても、後半に勝負できるように相手を走らせる作戦を取っていたように思えます。

西野監督からそのような指示が出ているかはわかりませんが、試合運びをみるとそのような展開になっていました。

このころから、本田の出番があると思ったファンも多いのではないでしょうか。

なぜ本田の出番が予想できたのか

相手の足が止まることが予想できるようになった30分過ぎごろから、日本はボールを持てる時間帯になってきます。

ボールを保持したときに活きる選手とそうでない選手がいます。

日本の10番である香川はチームがボールを保持したとき相手のゴール前でパスを受けて最後のパスか自分がシュートを打つかを選択できるクレバーな選手です。

ただ、逆に言うと下がった位置(長谷部とか柴崎の近く)で試合を組み立てるタイプではありません。

スピードに乗りながら相手ゴールを狙うのであれば香川は脅威であり続けますが、そうでなければ脅威は落ちるといっていいでしょう。

一方で本田は試合スピードがゆっくり(攻撃の時間、守備の時間といったのがわかるような展開)のときはボールをためて持つことができる場合にとても有効です。

現代のサッカーは攻守の入れ替えが激しいので本田が活きる機会というのは本来は少ないです。

ですが、今回のように相手が1人少ない場合は少しでも体力を温存するためにどうしても試合展開がゆっくりになるんです。

加えて日本が相手のDFラインとMFラインの守備陣形のあいだでパスを回せるほど力の差があるわけではありません。本田はその守備陣形の外側から攻撃に関与することができる司令塔なのです。

以上の点から本田が出る試合展開になったと言えるでしょう。

不可解!?長谷部のファウル

前半の38分長谷部がペナルティーエリア(GKが手を使える範囲)の外側でファウルをしてします。

この判定に多くの視聴者が疑問に思ったのではないでしょうか?

実際にこのサイトにもファウルについて知るために検索された方もいらっしゃったようです。

ビデオでみても長谷部に全く否はありません。むしろファウルを受けたと判定されても全くおかしくありません(コロンビアの選手は腰で長谷部にアタックしていますからね)。

絶好の得点チャンスとなったコロンビアはこのチャンスを見事決め同点となりました。

ちなみにこのゴールではワールドカップで初めてゴールラインテクノロジーとVARが利用された。

ゴールラインテクノロジーとは
7台のハイスピードカメラでゴール付近を毎秒500コマで撮影。

ゴールラインをボールが完全に超えたかどうかを判定し、超えていた場合、1秒以内に主審の腕時計に振動とともに「GOAL」と表示させ、ゴールであることを伝える仕組みだ。

VARとは

試合を決定づけるプレーが行われた際に、主審がビデオ判定を用いてジャッジをするものである。

サッカーの試合は主に、ピッチ上で笛を吹く主審(1人)と、サイドライン側でオフサイドやスローインの判定を行う副審(2人)で試合を裁くことになる。しかし試合中、審判の死角でラフプレーが行われたり、誤った判定が行われることがある。このようなことを防ぐため、そして主審をサポートするために導入されたのがVARだ。

後半は終始日本のペース

同点で後半が開始。

ただ、前半から相手の走力を削る戦いを行っていた日本は終始優位にたって試合を運んだといえます。

日本は試合時間の殆どを相手の陣地でボールを保持していました。コロンビアは数的不利が響いてなかなか前に出ることが叶いません。

後半から長谷部からのボールの出し入れが増えるようになります。

長谷部はもともと所属クラブでリベロ(DFラインに入り、攻撃にも参加する攻守で高い能力が求められる世界でも数少ない個人戦術)を行っていたのが活きてきます。

例えば、リスクを回避するための後ろでのパス交換。相手のクリア(ピンチを回避するために守備側が大きく前にボールを蹴り出すこと)したボールをしっかりと確保。攻撃スピードのコントロールなどです。

逆に、香川がボールに触る機会が減ります。

引いた強豪国相手に選手と選手の間を通すパスができる選手が日本には少ないのが理由です。

エースハメス・ロドリゲスの登場

後半15分コロンビアのエース、ハメス・ロドリゲスが出場!

ハメスの出場からかコロンビアは一時的に勢いを取り戻します。

ひとり元気なハメスが入るも周りの選手が前半から続く守備による疲労で思うように攻撃に転じられません。

結果論で述べるのならば、このハメスの交代はあまり効果がなかったと言えるでしょう。前回大会、同じグループ予選でコテンパンにされたハメスもこのあとは鳴りを潜めます。

香川に強烈なタックル。これも一つの引き金に本田出場

後半19分、香川が強烈なタックルを喰らいます。

このあと直後のプレーにおいて香川は足の影響からか全くボールに絡めなくなっていました。

後半25分、残り20分とアディショナルタイム。ここで日本が初めての交代を行います。

香川にに代えて本田。

おそらくこの交代の意図は、先にも述べたとおり攻撃のリズムと、組み立ての方法を変えるためでしょう。

キッカー本田で大迫がゴールを決める

後半28分。左サイドのコーナーキックを獲得。

ゴールシーンをどうぞ

このゴールの瞬間、SNS・Twitterでは #大迫半端ない のハッシュタグ付きの投稿が多く行われました。

大迫半端ないはサッカーファンの間では有名な名言で、大迫選手が高校時代に冬の風物詩である全国高校選手権で1回戦から決勝まで毎試合ゴールを決めて、さらに4試合連続で複数得点を記録。最終的に10ゴール10アシストという今後も破られることがないくらいの神がかりな成績を収めました。

その際に当時、超強豪校の滝川第二高校との準決勝との試合後、大敗を喫した滝川第二高校の主将が答えたワンシーンがとても有名になりました。

大迫半端ないのルーツとなったシーンです。

ちなみに、大迫半端ない関連のグッズやTwitterアカウントは大変人気があります笑。

リードを得た日本

大迫によってリードを得た日本は、的確な選手交代で試合を優位に進めます。

攻撃的なボランチである、柴崎に代えて山口蛍を投入。

守備的に布陣へ変更していきます。

もともとコロンビアは組織で戦うのではなく個で戦うチーム。

ハメスやフォルカをといったスーパープレイヤーがいるものの南米予選でもうまく効果的な攻撃ができずなんとか予選を突破したチームでした。

  • 数的不利
  • 守備の時間帯が長く疲労の色が濃い
  • 交代カードがすでにない
  • 相手(日本)は守備的

以上の4点からたとえ強豪であっても試合をひっくり返すほどの力はありませんでした。アディショナルタイムを含めた10分間、日本は大迫に変えて岡崎を投入。

岡崎の守備能力は高く、相手のDFにとってとても手強いFWなんです。

そして日本はこの大迫のゴール最後まで守りきり、勝利をおさめることができました。

この勝利は大金星!

この奇跡的な勝利は、世界に衝撃を与えたといっていいでしょう。

日本の評価はもちろんコロンビアよりも低くいこと。加えて、ワールドカップでアジア勢が南米勢に勝利をおさめたの事自体が史上初の出来事なのです。

いままでのアジア対南米の成績は3分け15敗。

日本だけでなく世界的に見ても歴史的勝利と言えるのではないでしょうか。

次節は対セネガル。この試合で勝利を手にすると日本のグループ予選突破に大きく近づきます。

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